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下仁田タイポさんぽ

先日、下仁田(しもにた)にいってきました。下仁田ネギで有名な、あの下仁田。

旅の目的は草津でのスノボ&温泉だったんだけど、帰りにふらっと立ちよった下仁田の街並みが、ノスタルジックで最高だったの。のどかで、いい街。

最近、お散歩しながら街中のタイポグラフィを味わう「タイポさんぽ」にはまっていまして、下仁田の街でもiPhone片手に気になるタイポをパシャパシャしてきました。

タイポグラフィとは、「活字を用い、それを適切に配列することで、印刷物における文字の体裁を整える技芸である」(wikipediaより抜粋)。わたしは、街中の看板やポスターなどにあしらわれている、デザインされた文字のことをタイポグラフィ、略して「タイポ」とよんでいます。

ちなみに、「タイポさんぽ」にはまるきっかけになったのは、この本。めちゃくちゃおもしろいので、ぜひ読んでみてください。パソコンで出力するフォントとは一味違う、手作りの印刷された文字(=タイポグラフィ)の趣きを、めいっぱい感じることができます。

では、下仁田の街で見つけたグッとくるタイポをご紹介します。

下仁田タイポさんぽ

すき焼きなのにコロムビア

ドラマ「孤独のグルメ」シーズン7で五郎さんがおとずれたすき焼き屋さん、コロムビア。この、店名と「アートコーヒー」が並んでいる看板をみて、もともとは喫茶店だったのかな?と予想…。そう考えると、「コロムビア」という店名もうなずけます。

この、太いマジックでかかれたようなかすれ感。右に傾いているんだけど、「コ」の横線が左側でそろっていて、長方形の中にスポッとおさまるお行儀の良さ。すてきです。

語りつがれる味自慢

道のわきに押しこまれるようにたたずむ「髙﨑ハム」の看板。お気づきだろうか、「ハム」の字がハムになっていることに(ハムというか、ソーセージ?)。どうやら、現在は別のロゴに変わっているようです。個人的には、この「ハム」の方が好きなんだけどな。

窮屈で味わいぶかい「な」

赤と黄色のカラフルなシェードの上に味わいぶかい看板が目に付くこちらのタイポ。「なかじま」の「な」の窮屈さになんともいえない味わいを感じます。つづく「か」と「じ」が、なんとなく漢字の「心」みたいになっているのもおもしろい。「皮革製品・袋物・はきもの」からゆるく坂を下りながら「ながじま」に着地するレイアウトも、隙があっていい感じ。店名はアサヒ堂なのか、なかじまなのか。

手でちぎったこんにゃく感

「手でちぎったこんにゃく感」がただよう、なんとも素敵なタイポ。とくに「く」にいいニュアンスが出ています。文字で商品の質感をあらわすなんて、素晴らしいデザイン。

残念ながらこちらのお店、昨年4月に閉店してしまったとのこと。しかし、1年弱たった今でも、味わいぶかいタイポは残っていました。

カツト&パーマ

これはいい、めっちゃいい。すごく好き。

なぜ「ツ」がこのサイズなのか。「ト」の流れるような横線がバランスをとっていて、いい仕事してる。「&」の形にあふれるアート感。「パーマ」の3文字はとってもキュート。バランスが悪そうで絶妙なこのタイポ、ずっと見ていられます。

番外編

タイポではないんだけど、気になったデザインたち。

趣きと生活感

味のある木材の格子に浮かび上がる「寫眞は樋…」。最後の文字を室外機が邪魔しているこの生活感が、たまらない。「寫眞」(しゃしん)っていう漢字、初めて見た。趣きがあります。

昭和レトロな電気屋さん

かすれた「TOSHIBA」と、上品な「園部電気」。その下のレトロなシャッターイラストに、かわいい配色の壁面タイル。この組み合わせが、とてもお洒落。昭和を感じるデザインです。

手書きなのか印刷なのか

下仁田駅前の看板。一見、印刷のようにみえて、文字の大きさがバラバラ。しばらく眺めていると、これってもしかして手書きなのでは?と思えてくる、不思議な風合い。同じ文字でも、微妙に異なるものだから、いったいどういうことなんだろう。とても気になる存在です。

シンプルイズベスト

これはシンプル。下仁田ネギがラジオのアンテナになっています。色合いといい、下仁田をアピールするのに、これ以上のデザインがありましょうか。

名キャッチコピー

「おしゃれなおつきあい」というキャッチコピーに心をうばわれました。街のドライクリーニング屋さんのイメージが、この言葉にぎゅっと集約されている。よく見るとお洒落をしたペンギンが。爽やかな水色とペンギンがとてもよくマッチしているけれど、そもそもなぜ寒そうなデザインにしたのかはわからない。でもよくまとまっていて、素敵なロゴだと思う。


街全体がレトロでノルタルジーあふれる下仁田。ちょっと歩いただけで気になるタイポ、気になるデザインにあふれていました。

下仁田タイポさんぽ、オススメです。

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